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Re: 冤罪説の崩壊

Posted: 26 10 2019, 07:48
by Bonjour_Chaton
もしヴェノナが公表されていたら、ジュリアス・ローゼンバーグの処刑もなかったかもしれない。彼が裁判にかけられたとき、判明していた原爆スパイは二人だけだった。その一人、デイヴィッド・グリーングラスはローゼンバーグが徴募して情報源としてつかっていた。もう一人はクラウス・フックだが、彼はイギリスにいたため、グリーングラスだけがアメリカで原爆スパイとして脚光を浴びた。彼の自供でジュリアス・ローゼンバーグは原爆スパイの元凶として国民的非難の的となった。この状況で、検察は死刑を求刑して判決を得た。

Re: 冤罪説の崩壊

Posted: 26 10 2019, 08:01
by Bonjour_Chaton
Bonjour_Chaton さんが書きました: 26 10 2019, 07:48 グリーングラスだけがアメリカで原爆スパイとして脚光を浴びた。彼の自供でジュリアス・ローゼンバーグは原爆スパイの元凶として国民的非難の的となった。この状況で、検察は死刑を求刑して判決を得た。
ヴェノナはマンハッタン計画の内部に潜んでいたソ連の情報源をもう三人特定している。
若手物理学者のセアドア・ホールが機械工のグリーングラスより有益な情報源であったとわかる。ホールはFBIの尋問に持ちこたえた。当局はヴェノナ以外に直接的証拠がなかった。しかしヴェノナの秘密を公にできず、法廷で使えなかった。このため彼は起訴を免れた。

Re: 冤罪説の崩壊

Posted: 26 10 2019, 08:28
by Bonjour_Chaton
情報提供者《フォーゲル》と《クワンタム》の本名はいまだに判明していないが、《クワンタム》は一定の地位にある科学者で、《フォーゲル》は科学者ないし技術者と考えられる。
明らかにこの二人はグリーングラスより有益な情報源であった。
もしヴェノナが公開されていれば、グリーングラスは、フックスだけでなくこの三人の原爆スパイより重要度の低いスパイと見なされ、グリーングラスの役割が小さくなれば、彼を徴募したジュリアス・ローゼンバーグの役割も小さくなったはずである。
ローゼンバーグは有罪となっただろうが、死刑ではなく終身刑になっただろう。

あちこちに・・・

Posted: 28 10 2019, 21:32
by Bonjour_Chaton
原爆開発の指揮をとったオッペンハイマーは共産党シンパだったのか。ただしスパイではない。

Re: あちこちに・・・

Posted: 31 10 2019, 21:36
by Bonjour_Chaton
大量にスパイがアメリカ政府に潜り込んだ背景には、第二次世界大戦の勅発で、いくつもの急ごしらえの省庁を新設して、多数の人間を新たに連邦政府職員に雇うことになり、そのため通常の公務員採用で求められるはずの身元調査をせずに、ほとんどフリーパスで大量採用を行ったことにあった。
諜報機関OSSには、現在わかっているだけで、15人から20人に上るソ連スパイを潜入させてしまった。
戦時中に臨時に設立された「戦時工業生産委員会」や「経済戦争委員会」あるいは「米州諸国問題調整局」やOWI(戦時広報局)などもわかっているだけでそれぞれ少なくとも6人以上のソ連スパイを抱え込んでいた。